楮

material
collected place
嵯峨谷(和歌山県橋本市)
collected period
毎年冬
自生する楮

毎年冬に刈り取り、1年で2〜3mに成長する。

楮(アオソ)

アオソ

楮(アカソ)

アカソ

楮の白皮

黒皮を取った状態

楮の芯

楮の木部

フィブリル化した楮

白皮は叩くことでフィブリル化し、和紙の原料になる。

こうぞは人家や道路に面した半日陰の場所によく育っているのを見かける。刈っても刈っても伸びてきて、繊維が長く強靭なので刈払機に巻きついたり、楮を伝って樹木にツルが絡まったりと、地元ではやっかいものとして草刈りの対象になっている。家の裏手にも多くの楮が自生しており、毎年冬の時期に収穫し、靭皮部分を紙の材料として利用している。

靭皮は外側から黒皮(最も外側の黒い部分)、白皮(紙の材料になる白い部分)、甘皮(黒皮と白皮の間の緑色の薄い部分)に分けられる。家の裏山の楮は樹皮が赤っぽく、お隣さんの楮は青っぽい。アカソ・アオソと区別されるらしい。白い紙にするためには黒皮を落とす必要があるが、アカソは黒皮が剥がれやすく処理がしやすい傾向がある。甘皮は産地によって残す地域と完全に除去する地域があり、仕上がる紙の白さに影響する。

木部は白くて軽く、火のつきが良いので焚き付けに使われることが多いらしい。靭皮を剥いだだけではぬめりが残り、その部分に非常にカビが生えやすいため材として活用する際は注意が必要だ。材林では木部も含めて保存し、活用方法を探っている。