- material
- 南天
- collected place
- 嵯峨谷(和歌山県橋本市)
里山のいたるところで赤い実を目にする低木。難(ナン)を転(テン)ずる木として縁起物とされている。地下茎で勢い良く繁殖するため、密集してツルが絡まったりしている南天に出くわすと刈り取って保存している。鎌や鋸で刈り取ると、形成層の周囲が鮮やかな黄色であることが分かる。真っ赤な実をたくさんつけ、幹は鮮やかな黄色、ときには緑青色の苔を身に纏う、なんとも煌びやかな植物である。木材としては1本1本の径はあまり太くならないため使いどころが難しいが、硬さと粘りがあり、見た目のか細さの割にはかなり丈夫な印象がある。手入れをすれば真っ直ぐ伸びるように思われるが、山で見かける南天はツルにからまったり、途中で折れて方向転換していたり、二手に枝分かれしたり、1本1本さまざまな形状をしている。