杉

材の名前
収集場所
和歌山県

杉は檜と並んで里山で最も入手しやすい木材のひとつ。標高の高い場所では檜の林をよく目にする一方で、杉は谷の近くなど湿気の多い場所に植えられているのを目にすることが多い。生木の状態では水分をたっぷり含んでいるが、乾燥すると木材としてはかなり軽く柔らかい部類に入る。太く育ちやすく、地元では建材のほか蜂の巣の材料として使われているの目にした。外壁として使用する場合は三枚の板を煙突状に立て中で火を燃やすことで片面を炭化させた焼杉として用いられることもある。

材としては密度が低いため製材しやすく、節が無い部位は割るのも容易である。機械が普及する前は、手鋸で切断するよりも割った方がよっぽど作業効率がよかったことが想像できる。木目に沿って割った(へいだ)材は艶があり、水分も染み込みにくいため丈夫で実用面でも優れており、柿葺きや曲げわっぱの材としてへぎ板が使われるのも理にかなっている。

杉の木材としての見た目としては色が赤みがかった芯材と白っぽい辺材の境界が明確で、木目が明確である。稀に芯材が黒に近い濃い色の杉丸太に出くわすこともあるが、どのような条件で発生するのかは不明である。

この材で作ったもの