- 材の名前
- 椿
- 収集場所
- 嵯峨谷(和歌山県橋本市)
山の中で、真っ赤な丸い花に目を奪われる椿。種からは油が取れるほか、種の先端を硬い石などにガリガリと擦り付けて穴をあけて中身を取り出すと笛になり、昔の子どもはよく遊んだそうだ。種が入っていた房の部分はまるでアクセサリーや工芸品と見紛うばかりの造形美である。
ある時、大きく育った椿の丸太をいただいた。材は肌目が白くて細かく、とにかくハード。樹皮もツルッと硬くコルク層もほとんど無く、虫が入ることもできないのではないだろうか……。何かこの硬さを生かせないだろうかと思案しながら材をスタジオに寝かせてある。