composition of fragility

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お隣の山本さんは、炭を焼いている。炭といっても普通の炭ではなくて、山で集めた花や木の実、葉っぱなどを炭にしている。集めてきたものを分厚い鉄製の窯に入れ、空気を遮断して焚くことで、ものの形だけが現れる。炭化したそれらは腐ることが無く、抽出された形は永続するように見える。が、手で軽く握るとぼろぼろと崩れ落ちるほど繊細で、永続性と脆弱性が共存している不思議な感覚になる。山本さんはインテリアとして販売しているが、誰かが触ったり揺すったりして壊れてしまうということもよくあるそうだ。そこで、あえて脆さや弱さを含めて展示してはどうかと、家の周りやスタジオに転がっていた素材を使ってコンポジションを作ってみた。息を吹きかけただけで倒れてしまいそうなものもあるが、それぞれなんとか形を保っている。

制作
Isamu Hazama
制作年
2023
花炭