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あるプロジェクトで、僕が住む場所に点在する史跡の案内板を作ることになった。せっかくなら地元の材を使おうと、家からほど近い場所に転がっていた10個の石をその土地の人に分けてもらい、土台として使うことにした。近所の人に石屋さんを紹介してもらい、柱を差し込むための穴あけと、安定して地面におさまるように石の底を平らにする加工をお願いした。湿式による加工を終えて届けられた石はまだ濡れていて、色濃く、まるで生きているような感じがした。石はひとつとして同じ色や模様はなく、自然が生み出した輪郭や割れ目が、精密な60mmの穴との対比によって際立っていた。僕は石が地面に埋められる前に、この美を写しとることにした。50kg近い石をひとつひとつ自宅に運び、墨を塗り、上に和紙を置いて素手でこすりとった。
- 制作
- Isamu Hazama
- サイズ
- 660 × 510mm
- 素材
- 紙、墨
- Book edition
- between in between
- 材
- 石